映画『プロミスト・ランド』公開記念 YOIHI PROJECT×東京大学One Earth Guardians共同企画 撮影地・鶴岡市大鳥地域での大学生マタギ体験レポート

 
映画『プロミスト・ランド』©︎飯嶋和一/小学館/FANTASIA

YOIHI PROJECTの新作映画『プロミスト・ランド』(6月14日(金)MOVIE ONやまがた、鶴岡まちなかキネマにて先行公開/6月29日(土)ユーロスペースほか全国順次公開)の公開を記念し、100年後の地球のために行動を起こせる科学者たち「One Earth Guardians ―地球医―」の育成を目指す東京大学〈One Earth Guardians育成プログラム〉とYOIHI PROJECTの共同企画として、4月に撮影地の山形県鶴岡市大鳥地域で学生たちにマタギ体験をしていただきました。同行した『プロミスト・ランド』のプロデューサー、瀬島翔さんの現地レポートをお送りします。

5月17日(金)に行われたこの体験のトークイベント「マタギの里山で学生がみた食・人・自然 in 山形県大鳥地域 -映画『プロミスト・ランド』に寄せて」のレポートはこちらからご覧ください。

企画内容

東京大学One Earth Guardians育成プログラムの学生たちが、YOIHI PROJECT映画第2弾「プロミスト・ランド」の撮影地である山形県鶴岡市大鳥地域で、短期間ではあるが地元の人たちと生活を共にする。過疎化が進む集落の現状や土地に残る文化を知ると同時に、内側に入らなければ感じることの出来ない田舎地域特有の人との距離感、自然と共生する暮らしを体験してもらう。
今後、日本を担う若者たちに、集落の生活や文化を実際に目で見、耳で聞き、肌で触れ、その現実と問題点を実感してもらうことで、彼らの今後に役立つ活動となるような企画を目指す。
大鳥集落はかつて鉱山で栄えた歴史を持ち、日本でも数少ないマタギ文化が伝承されている土地でありながら、年々と人口は減少し、冬を越すたびに空き家が倒壊している地域である。大鳥地域の人たちは自分たちの土地と文化を知ってほしいという気持ちから、この企画に参加する。

One Earth Guardiansとは

One Earth Guardians育成プログラムは2017年に設立された東京大学農学部の教育プログラム。「これから100年経っても、地球上のあらゆるものと共生しながら生きていける世界」を実現するべく、他者を巻き込みながら新しい価値を創造できる科学者たちを「One Earth Guardians=地球医」と定義。大学で行われる講義に加え、企業や省庁から講師を招いたワークショップやセミナー、さらに産官学協働で課題に取り組む実学研修などを通して地球医の育成を目指している。
https://www.one-earth-g.a.u-tokyo.ac.jp/

参加者

志賀 智寛(しが ちひろ)

東京大学大学院農学生命科学研究科・4 月から修士 2 年水産業や地域の食文化などに関心があり、現在は伊豆で定置網漁業に関する研究を行っているほか、能登や福島で地域の方々とともに地域活性化の活動をしている。その活動をどのような形でアウトプットしていくべきか模索中。
参加動機は熊撃ちを体験したい。獲れた熊肉を食べてみたい。

津旨 まい(つむね まい)

東京大学大学院農学生命科学研究科・4 月から修士 2 年 土地利用と土壌の性質の関係を研究している。サッカーが好きで、One Earth Guardians育成プログラムではサッカーの力を使って、農学の取り組みを広げる活動をしている。
参加動機は熊撃ちや田舎の生活(自然の中で暮らす)を体感することで、生きているという感覚を実感できるのではないか、それらが環境問題などの行動変容につながるヒントになるのではないかと思ったから。

中川 俊明(なかがわ としあき)

東京大学農学部・4 月から学部 4 年 細胞や微生物(カビ)、酵母の研究をしており、それらがどのようにして物質を輸送しているかに関心がある。日本酒に興味があり、東京大学の五月祭では全国各地から提供された日本酒を飲み比べる企画にスタッフとして参加する。 参加動機は現地の生活を実際に体験したいと思ったから。

田中 美羽(たなか みわ)

青山学院大学・4 月から学部 2 年 音楽や映画、写真など芸術に関心があり、勉強をしてきた。以前はDJをしていたが、現在は琵琶の演奏をしている。音で環境を捉えることを研究テーマとしている。
参加動機は、雪山を見てみたい、歩いてみたい。東北に怪しさを感じているらしく、どのような土地なのか行ってみたい。秋田出身の友人から、マタギの話をよく聞いていたので興味があった。

体験内容

4月11日(木) 集落散策、現地の方との交流

集落到着後、今は住民票上、住所登録がされていない集落「誉谷(たかたに)」を散策。
散策後、移住者であり芸術家の嶋尾(しまお)さん宅を訪問。
こちらに移り住んでからの生活について話を聞く。
学生たちに、「未来の生活は見えるか?」、「世界の前に自分がどう生きるか?」などの話をする。
その後、大鳥集落内の松ヶ崎(まつがさき)エリアに移動し、現松ヶ崎集落の村長であり、生まれた時から大鳥で育つ、大滝清策(おおたきせいさく)さん案内の元、古く炭鉱で栄えていた町の様子を聞きながら、集落を散策。
昭和53年まで1300人に住んでいた集落が現在は50人にまで減った話などを聞く。

4月12日(金) 山の下見→急遽熊を見つけた為、猟友会が山へ、遠方から猟の姿を見学、熊の解体立ち会い 

午前中は山岳ガイド、現地猟友会の田口比呂貴さん(たぐちひろき)、佐藤義幸(さとうよしゆき)さんの指示の元、近くで登りやすい”松平山”で翌日の猟帯同に向けて、山の登り方をレクチャー。
午後から、椎茸のコマ打ちに参加予定でしたが、作業途中に近隣の山に熊が現れ、猟友会が山へ。
学生たちは、山には入らず近隣の道から猟友会の工藤悦夫さん(くどうえつお)に話しを聞きながら双眼鏡を使って見学。発砲により熊が山を転がっていく様子を肉眼で確認。
猟友会チームが熊狩に成功し下山。解体作業を見学、一部補助を務める。
先ほどまで生き物として、見ていた熊が食料に変化していく様に感銘を受ける。
その後、下処理のいらない部分の熊肉を現地の方に調理して頂き、食した。

山形新聞記事掲載

https://www.yamagata-np.jp/news/202404/13/kj_2024041300309.php

4月13日(土) 熊狩帯同(薬吹沢)

朝8時に集合し、猟友会チームと合流。
猟場である薬吹沢(やぶけざわ)に入山。
タチマエという撃ち手側のチームに同行することに、見晴しの良い尾根に到着すると反対側の山に登ったチームから熊を見つけたと連絡が入る。
熊が近くにいる緊張感の中、撃ち手側に熊を追い上げる配置の指示や動きを見学するも熊を途中で見失う。
日暮れまで見失った熊の足取りを追ったが見つけられず17時に過ぎに下山。
熊狩に向ける猟友会の方々の動きや思いを間近で感じる体験をした。
また翌日、猟友会の工藤悦夫さんから熊撃ちに入る上での禁忌に関する説明を受ける。

4月14日(日) 椎茸のコマ打ち、朝日猟友会と会食

午後から集落に入り、12日に途中で中断していた椎茸のコマ打ち作業を行う。
作業前に前日熊狩を引率して頂いた工藤悦夫さんから、熊を途中で見失った理由として熊狩における禁忌の説明を受け、ある種、熊を見失った事は必然であったという話を聞く。
椎茸のコマ打ち作業では約3000個の椎茸の菌を木に植えた。
一年後に成長した椎茸を観にくると約束し、大鳥での経験を振り返り、協力してくれた大鳥の人たちと別れる。
夕方からは撮影でもお世話になった朝日猟友会の伊藤一雄さん(いとうかずお)に招いて頂き山菜料理や猪を使った創作料理を食べながら交流、現地の方が感じている熊や猿などの生態系の話を聞くなどした。


トークイベント「マタギの里山で学生がみた食・人・自然 in 山形県大鳥地域 -映画『プロミスト・ランド』に寄せて」
記事リンク

『プロミスト・ランド』 

2024年6月29日(土)、ユーロスペースほか全国順次公開
6月14日(金)MOVIE ONやまがた、鶴岡まちなかキネマにて先行公開
出演:杉田雷麟 寛一郎 ほか 脚本・監督:飯島将史  
原作:飯嶋和一「プロミスト・ランド」(小学館文庫「汝ふたたび故郷へ帰れず」収載)
製作:FANTASIA Inc. / YOIHI PROJECT 制作プロダクション:ACCA/スタジオブルー
配給:マジックアワー/リトルモア ©︎飯嶋和一/小学館/FANTASIA

映画公式サイトURL:  www.promisedland-movie.jp
公式Xアカウント: @promisedlandmov

YOIHI PROJECT公式Instagram :https://www.instagram.com/yoihi_project/ で #マタギの日常 配信中

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