映画『せかいのおきく』の背景に描かれる〈いのちの巡り〉とは?

商売の種となる貴重な糞尿を担いで畦道をひた走る中次(寛一郎)と矢亮(池松壮亮)。本作の舞台となる江戸時代には、現代の私たちが捨ててしまうようなものを買い取り、再利用する商人が沢山いました。矢亮の商売である〈下肥買い〉(しもごえがい)はその代表例です。下肥買いは「汚穢屋」とも呼ばれ、長屋にある共同の厠に溜まった大量の糞尿を買い取り、農村に肥料として売却していました。その肥料は、人間にとって不可欠な食料を生み出します。『せかいのおきく』の背景には、このような江戸時代の〈循環型社会〉が描かれています。

本作の企画プロデューサー/美術監督を務めたYOIHI PROJECT代表の原田満生は「江戸時代は資源が限られていたからこそ、使えるものは何でも使い切り、土に戻そうという文化が浸透していた。人間も死んだら土に戻って自然に帰り、自然の肥料になる。人生の物語もまた、肥料となる。自然も人も死んで゙活かされ、生きる。この映画に込めた想いが、観た人たちの肥料になることを願っている」と語っています。

人間の排泄物さえも肥料とし、限られた資源を使い尽くし循環型社会を確立していた江戸時代に生きる若者たちの青春を描いた『せかいのおきく』。150年以上前のライフスタイルが教えてくれる未来のためのメッセージをYOIHIはエンタテインメントとして伝えます。

『せかいのおきく』2023年4月28日(金)GW全国公開
脚本・監督:阪本順治 出演:黒木華 寛一郎 池松壮亮
配給:東京テアトル/U-NEXT/リトルモア
(c)2023 FANTASIA

映画公式サイトURL:sekainookiku.jp
公式 Twitter アカウント:@okiku_movie

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