フィンランド・エスポー市視察編

2023年6月に行いましたYOIHI PROJECTスタッフWKによるフィンランド・エスポー市の視察とミッドナイトサン映画祭のレポートをお届けします。

フィンランド・エスポー市視察

YOIHI PROJECTのフェローである東京大学・五十嵐圭日子教授のお薦めでフィンランド・エスポー市の視察を行いました。

エスポー市とは?

https://www.espoo.fi/fi
首都へルシンキに隣接するフィンランド第2位の人口を誇り、サスティナビリティ・サーキュラーエコノミーを推進する都市として世界No.1を2年連続獲得。アアルト大学を有し文化とサーキュラーエコノミーを2軸で推進する都市です。
特にサスティナブル素材(特に繊維)の研究が最先端で進められており、世界的にも有名なインフィニテッド・ファイバー(Inditex and Infinited Fiber Company)社はパタゴニア、H&MやZ A R Aなど世界的なファッション ブランドともコラボレーションを実施しています。
https://infinitedfiber.com/

YOIHI PROJECTフェローの五十嵐教授はエスポー市にあるVTT技術研究センター(https://www.vttresearch.com/en)に在籍していたことがあり、ここはインフィニテット・ファイバー社のサスティナブル繊維の開発に貢献しているそうです。

VTT技術研究センター

参考記事
https://japan.cnet.com/article/35182447/
https://www.fashionsnap.com/article/2022-06-06/inditex-infinna/

アアルト大学を訪問

アアルト大学

https://www.aalto.fi/en
大学の名はフィンランドの著名な建築家のアルヴァ・アアルトにちなんでいます。科学・ビジネス・美術の 3つのコミュニティからなり、エスポー市のサスティナビリティを学術の面から推進している大学です。映画学科と科学学科の両方がありYOIHI PROJECTと通じるものを感じ、是非視察したいと思いました。

学内を案内して頂きましたが、建物のデザインとこだわりがとても印象的でした。
日本の大学よりも開放的で、歩いているだけで、彼らの研究の片鱗が見えるような作りになっています。展示はもちろん、(入ることはできませんでしたが)研究室の窓が大きくて、少し覗くことができました。階段やワークショップスペースが多く、各学科の学生たちが自然と出会えるのを空間から設計しているように感じました。

アアルト大学

後日調べましたら、設計の段階でエンドユーザーの意見を大事にし、将来的にニーズによって変更ができる柔軟性を持った設計にしているそうです。家具や照明、仕切りや壁も移動や追加ができるとのこと。2018年にオープンした、芸術、デザイン、建築学部向けの建物は、ワークショップ・スタジオ・小さい作業部屋・教室とオフィス、というように、独立した作業スペースと人々が出会うスペースの両方を用意しているそうです。

大学と企業のコラボレーションの展示

アアルト大学のコーポレート・リレーションズ・マネージャーのピリタさん(Pirita Posti, Corporate Relations Manager, School of Arts, Design and Architecture, Aalto University)にお話を伺いましたが、すごく誇らしげにおっしゃっていたのは、学生たちの起業精神の育成に力を入れており、企業や政府系とのコラボレーションも70以上のパートナーがいて、彼らと大学とでスタートアップを推進しているということでした。
とにかく、新しいことをする、というマインドを大事にしていることに大変感動しました。

映画祭Espoo CineとミニシアターKINO TAPIOLAを訪問

エスポー市の地元の映画祭、Espoo Cine(https://espoocine.fi/
を訪問し、プログラミングディレクターのミカエルさん(Mickael Suominen Head of Programming)とお話しました。YOIHI PROJECTの活動にとても興味を持ってくれて嬉しかったです。2024年の映画祭では、日本映画特集をして4、5本の日本映画を上映を構想中とのことなので、ぜひ『おきくのせかい』をと熱列プッシュしてきました!

KINO TAPIOLA

そしてミカエルさんからの紹介で、ミニシアターのKINO TAPIOLA(https://www.kinotapiola.fi/)も訪問しましたが、ちょうど支配人さんがお休みでお話はできず…。素朴な映画館で、ライブ演奏などもやってるようで、地元のコミュニティスペースでもあるのかなと思いました。

KINO TAPIOLA

OPEN CREATIVE HOUSEを訪問~エスポー市の文化支援について視察

OPEN CREATIVE HOUSE

https://www.opencreativehouse.com/
クリエイターに特化したコワーキングスペースです。クリエイターたちに場所を格安で提供しながら、クリエイターやスタートアップ企業、プロフェッショナルなど共同作業相手とのネットワークを広げる出会いの場所としても機能しています。

OPEN CREATIVE HOUSE

国や企業が技術的、法務的にも バックアップしてクリエイターの起業を促しています。
アアルト大学同様、印象的だったのは、クリエイターたちのスタートアップを推進しているマインドです。プログラミングとか、デザインとか、ファッションとか、映像とか演じる側とか多種多様のクリエイターを支援しています。そういう人たちが自然に話せる空間とチャンスを積極的に、国と企業が作っているのだと感じました。この施設も、まだできたばかりで、どんどん新たな若いクリエイターたちに知ってもらって、集まって欲しいと言っていました。

OPEN CREATIVE HOUSE

次の記事へ続く

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